【NAISTでの生活】就活編―IT/ICTベンチャーから日系大手まで―
どうも,接点QBです. 今回はNAISTでの生活シリーズ第2回目(3回目は無さそうな気がする)として,就活に関する記事を書きます. 就活を控えたNAIST生・NAISTの受験を考えている学部生・IT/ICT企業を目指している人達の参考になればと思います.
(注)企業様の敬称は省略します.また,多少の表記ゆれがあるかもしれません.
(注) 本記事は2018年1月に執筆したものです.
お前誰よ?
就活ということで,履歴書やエントリーシートに書きそうな内容を列挙しておきます. 多分この辺の情報を書いておかないと参考にならないので.
- 2018年3月修了予定の大学院生
- 奈良先端科学技術大学院大学 (以下NAIST) の情報科学研究科所属
- 大学院での専門に関するキーワード:ビッグデータ・機械学習・バイオインフォマティクス
- その他の大学院での活動:ビジネスコンテスト優秀賞・シリコンバレーでのビジネス関連の研修に参加 (詳しくはこちらの記事)
- 学部は島根大学総合理工学部 数理・情報システム学科 数理領域 (←中身はほとんど理学部数学科に近い)
- 学部での専門に関するキーワード:機械学習・数理統計学・統計的学習理論 (いわゆる理論屋)
- その他就活で話したトピック:麻雀の話題 (「第17回 青雀旗争奪 全国大学対抗麻雀選手権大会」で6位入賞したり,中四国地方の大学生の大会で優勝したりしてたんですよ!)
どこ受けたの?
実際に選考を受けたのは,以下の企業様です:
- Albert:データソリューションカンパニー.データサイエンティストを多く抱えている会社.
- Brain Pad:こちらもデータ分析コンサルみたいな会社.Albertとの違いは後述.
- サイバーエージェント:アメブロ・AbemaTV,FRESH!を始め,色々なコンテンツを展開している有名ITメガベンチャー.
- DeNA:キュレーションサイトの事が新聞に載る前に受けました.
- NTTドコモ:携帯電話会社という印象が強いと思いますが,意外と色々やってます.
- NTTコミュニケーションズ:通信回線の保守運用しかやってないという印象かもしれませんが,こちらもデータ分析をやっている部署があります.
- ワークスアプリケーションズ:BtoBの会社なので知ってる人は少ないかもしれません.Hueという人工知能型ERPが最近のウリのようです.
- Yahoo! JAPAN:こちらも有名メガベンチャー.インフラエンジニアからデータサイエンティストまで,色々な人がいらっしゃいます.
大学院に入った当初は金融系も受けようと思っていましたが,Fintech系の話をウォッチしているうちに「もう日本の銀行は駄目だわ」と思って受けるのをやめました. が,ここではその話には深く立ち入らないことにします(長くなっちゃうので).
それで,実際にどこから(内)内定を貰ったかというと,DeNA以外の全社です. ということで,以下では(内)内定をゲットした会社に関する話を(公開できる範囲で)書いていきます.
M1の12月まで
学内での説明会
NAISTでは色々な企業の方に来ていただいて,学内で企業説明会みたいなものが行われます. もちろん,経団連に所属している企業様は3月までは説明会も出来ませんので,この時期は経団連に属していない企業様のみの説明会になります. 上に上げた企業様だと,Albert,NTTドコモ,NTTコミュニケーションズ,ワークスアプリケーションズ以外はNAISTで説明会があったと思います. 大体は サポーターズ や キャリアセレクト といった「就活のサポートしますよ」企業様がイベントを設定してくださいます.
ブレインパッドはサポーターズのイベント経由で選考フローに乗りました.
逆求人イベント
さて,僕が一押しするのが「逆求人イベント」です. 逆求人を知らない方もいらっしゃるかもしれないので,一応説明しておきます. 逆求人イベントでは,普通の説明会と違って学生がブースを持ちます. 学生が個人ごとに設定したブースに座っていて,企業の方が学生のブースにいらっしゃって,お話をします.
僕は12月の中頃に 逆求人ナビ が主催する「データ逆求人」というイベントに参加しました. このイベントなくして僕の就活に成功は無かったと言っても良いぐらい素晴らしいイベントでした. 「データ逆求人」はデータ分析業務に就きたい人(俗に言うデータサイエンティスト)を対象とした逆求人イベントだったと記憶しています. 当日は時間が6つコマに区切られていて,各コマに1つの企業様と話せるというものでした. 幸運にも6コマ全て埋まったので朝から夕方まで喋りっぱなしで喉が結構きつかったです.
M1の1月以降
選考が本格化します. ここからは企業ごとに書いていこうと思います.
Albert
1月にアカリクの逆求人イベントに参加してお話しました. アカリク逆求人の前までは全く知らない企業だったんですが(最初は自転車の会社かと思いましたw),イベントでの説明を聞いていると「割りと興味あるな」となって,幸運にもお話できました. イベント中に「もう殆ど内定出たと思っといて」と言われて「マジかよwww」と思いましたが,結構マジでした. 選考フローは面接2回だけ(一回目は現場のデータサイエンティストの方と「何やりたい?」という感じの話で,二回目は雇用条件に関するお話)でした. つまり,殆ど選考らしい選考はありませんでした(逆求人で色々話したおかげ?).
Albert はかなりブレインパッドと事業内容が被っていますが,あえて違いを上げるとしたら
- Albertの方がブレインパッドよりもアカデミックな印象を受けた
- (あくまで個人的な印象ですが)Albertの方が先端技術をウォッチしている
という点でしょうか.
給与面に関しては月額346,761円 (30時間分のみなし残業代込み),近くに住むと家賃補助3万円/月,通勤手当は月3万円を上限に定期代で支給,その他も諸々の手当が付く感じです. ボーナスは年2回あるみたいです(何ヶ月分出るかは知りません). 基本的に年俸が500万をきることは無さそうな感じでした.
ブレインパッド
Albertよりもビジネス寄りな印象を受けました. 人事の方は良い人でしたし業務内容も良かったんですが,少し待遇が悪すぎましたね. 給与が月額28万円(30時間分のみなし残業代込み),家賃補助なし,ボーナスも決算賞与(つまり,出るかわからない)という感じでした.
選考は,Skypeでの面接が数回と,白金台にある会社での最終面接が1回でした.
サイバーエージェント
こちらも1月のアカリク逆求人経由で選考フローに乗りました. Skypeでの選考では,アドテクスタジオのAILab所属の方や,秋葉原ラボの方とお話させて頂きました. サイバーエージェントというとキラキラ系女子のイメージがある方が多いと思いますが,実際に中を見てみると「ベンチャーなのに意外ときっちりしている」と感じました. アドテクというかなり強固な収益基盤を持っていて,新規事業も展開し,かつ数年に一度きちんと事業を整理しているという,イケイケベンチャー感からは想像出来ないぐらいキチンとした経営戦略をとっている企業です.
選考フローはwebテスト→Skypeでの面接数回→本社(渋谷)での役員面接一回でした. webテストの詳細はさすがに書けませんが,僕は全然出来ませんでしたw(分野が違いすぎた) でも,webテストを受ける時にプロフィールシートも一緒に出すので,こちらをキチンと書いておけば何とかなる(会社側のニーズにマッチする内容なら)と思います. また,Skypeでの面接は「誰と話したい?」とこちらの要望をかなり聞いていただけました.
結局内定は辞退したんですが,正直な所かなり迷いました.
NTTドコモ・NTTコミュニケーションズ
秘密ですwww
他のITベンチャーに比べて古くからある「The 日系大手」な感じの企業なので,あまり書くと怒られるかと思いましてw
一つだけアドバイスするなら,最終の面接はスーツで行きましょうw
ワークスアプリケーションズ
逆求人ナビのイベント経由. ここが一番年俸が高かったです.最低でも600万円は保証すると言われました. 職種としては「AIスペシャリスト」という職で内定をいただきました. 人事の方がとても親身に相談に乗ってくださり(他の会社に関しての話など),ネットで言われている「ブラック」という雰囲気はあまり感じませんでした. また,現場のデータサイエンティストの方ともお話しましたが,技術レベルは高い(高い人としか話していない可能性あり)と感じました.
選考フローは,(ここまで免除)→プログラミング課題→技術面接→最終面接 でした. プログラミング課題は,「データサイエンス系の研究でプログラム書いてるならコレぐらいは出来るだろうな」という感じのレベルでした. 逆にあれぐらい書けないと入ってからキツイのでは?という印象でしたね. 技術面接は結構ゴリゴリ聞かれましたが,圧迫的な感じは一切なく,純粋に技術レベルを推し量ろうとしていると感じました.
Yahoo! JAPAN
逆求人ナビのイベント経由. イベントの時に「一人だけめっちゃきれいな人いる!やばい!!」と思っていた人がヤフーの人事の人でした(Twitterで有名な例のあの人).
メガベンチャーですが先進的な取り組み(社内システム含む)に積極的で,働きやすさ・面白さという2点では突出しているかなと思いました(面白さはサイバーもかなり良いと思いますが). ただ,新卒で入ると如何せん給料が(上記の会社と比べて)低いんですよね. 住宅手当も付きませんし. 中途採用で入るならかなり有力な選択肢になるかなと感じました.
選考フローは,Skype面談やらwebテスト→東京本社での面接→大阪での最終面接 でした. webテストはかなり基礎的な内容で,(コンピュータサイエンスの分野で普段から研究してるなら)特に対策とかしなくても大丈夫かと思います. 東京での面接は技術系の方との面接で,ここが一番重要だと思います. 僕の場合だと,スライドを使って研究紹介プレゼンをしました. 専門の方がいらっしゃるので,結構しっかり内容について質問が飛んできます. がしかし,こちらも普段からきちんと研究発表をしていれば何とかなるかと思います.
まとめ
結構色々な企業を受けましたが,特に何か就活用の対策をしたということはありませんでした―SPIの対策とかしたこと無い―. 個人的な意見としては,理系なら「就活の対策に時間を割くよりも,研究に時間を割いて自分の研究についてキチンと話せるようにしておく」ことの方が大事ではないかと思います. もちろん,これは一概には言えないのかもしれませんが,少なくとも僕はそう感じました. せっかく修士まで来ている(しかも,我々の研究に掛かる費用の多くは国民の血税から賄われている)のですから,その専門性を活かした職に就くべきだと思います.
また,本記事では具体的な給与額を含めて,できるだけ詳しく就活内容に関して書きました. こういう記事だとあまり給与を明示しているものが多くないのですが,
雇用される側からすると給与は切実かつ重要な要素なので,学生側がアクセスしやすいようにきちんと明示すべき
という考えのもとで出来るだけ明記しました. これから就活をする人の参考になれば幸いです.
最後になりましたが,就活を通して多くの企業の方(特に人事の方)にお世話になりました. この場を借りて御礼申し上げます. もし本記事の内容に問題がありましたら,ご連絡下さい.